AIが作った通所介護計画書の下書きを、管理者はどこまで確認するか
生成AIで通所介護計画書や個別機能訓練計画書の下書きを作る事業所が増えてきました。入力した情報からAIが文章を組み立ててくれるので、ゼロから書くより早く形になります。ただ、下書きをそのまま計画書として使ってしまうと、ご本人の状態とかみ合わない表現が残ったり、計画書同士で目標がずれたりすることがあります。AIが作った下書きを、管理者やリーダーはどこまで確認すればよいのか、確認を仕組みとしてどう回すかを整理します。
下書きのまま使えない理由
AIは、入力された記録やアセスメントの内容をもとに文章を組み立てます。入力が足りない項目は一般的な表現で補われることがあり、ご本人の具体的な状態や生活環境が十分に反映されないまま文章になってしまう場合があります。また、通所介護計画書と個別機能訓練計画書は本来同じ方向を向いている必要がありますが、別々に下書きを作ると、短期目標の表現が微妙にずれることもあります。下書きは「たたき台」であり、最終的に計画書として成立させるのは、ご本人の状態を知っている管理者や専門職の確認という前提を、職員の間で共有しておくことが出発点になります。
確認すべき3つの視点
まず、ご本人の今の状態と下書きの内容が合っているかです。前回のモニタリングや日々の記録と照らして、状態が変わっている部分が下書きに反映されているかを確かめます。
次に、通所介護計画書と個別機能訓練計画書の目標が食い違っていないかです。短期目標は通所介護計画書の記載を正として、個別機能訓練計画書側の表現がそれと矛盾していないかを見ます。
最後に、ご家族やケアマネジャーに渡しても違和感のない言葉になっているかです。AIが作る文章は整いすぎて、現場の実感と離れた表現になることがあります。読んだときに「この人のことだ」と分かる記述になっているかを確認します。
下書きの質を上げる入力の仕方
確認の手間を減らすには、下書きを作る前の入力を丁寧にしておくことも効果があります。日々の記録に「様子観察」のような一言で終わらせず、できたこと・できなかったこと・声かけへの反応などを具体的に書いておくと、AIが組み立てる文章もご本人の状態に近いものになります。入力が薄いまま下書きを作ると、一般的な表現が増え、結果として確認の負担が重くなります。記録の書き方を整えることと、下書きを確認する仕組みを整えることは、どちらも計画書の質を支える土台だと考えておくとよいでしょう。
確認を仕組みにする
確認を「気をつける」だけに頼ると、忙しい時期に抜けが出ます。誰が・いつ・どこを見るかをあらかじめ決めておくことが大切です。例えば、下書きが出た段階でまず作成担当が自分の入力と見比べ、そのあとに管理者か専門職が目標の整合性を確認する、という二段階にしておくと抜けが減ります。確認した記録をどこかに残しておけば、あとから「誰が確認したか」を追えるようにもなります。
はなひろでは、通所介護計画書・個別機能訓練計画書・月次モニタリングの下書きをAIが用意し、管理者や専門職が内容を確かめて直してから使う仕組みを自社の4事業所で運用しています。確認の手間がゼロになるわけではありませんが、白紙から文章を組み立てる時間は大きく減りました(通所介護計画書の作成時間が60分から1分になったという、手で書いていたときと比べた自社の実感値です)。外部の事業所への提供は準備中で、時期は未定です。
AIを使うかどうかに関わらず、下書きを人が確認する視点は同じです。何を基準に確認するかを職員間で共有しておくことが、計画書の質を保つ一番の近道だと思います。
まとめ
AIが作った計画書の下書きは、あくまでたたき台です。ご本人の状態との整合性、計画書同士の目標のずれ、読み手に伝わる言葉になっているかという3つの視点で確認し、誰がいつ確認するかを仕組みにしておくことで、下書きを安心して使えるようになります。

