小口現金は定額を渡して月末に締める運用に変える
デイサービスの小口現金は、必要になるたびに金額を渡す運用をしている事業所が少なくありません。この方法は、渡した金額の残りがいくらか分かりにくく、月末に「結局いくら使ったのか」を集計するだけで時間がかかりがちです。おすすめしたいのは、あらかじめ決めた定額を渡し、使った分だけを月末や一定の周期で補充する「定額前渡制度」(インプレスト・システムとも呼ばれる、決まった額を渡して使った分だけ埋め合わせる仕組み)に切り替える方法です。
定額前渡制度とはどういう仕組みか
定額前渡制度は、事業所ごとに「毎月〇円まで」という上限を先に決めておき、その金額を現金や口座から渡し切ってしまう方法です。渡した後は、レシートと引き換えに使った金額を記録し、月末や決めた周期でちょうど使った分だけを補充します。手元に残る現金は常に「渡した定額」に収まるため、いくら使ったかは「定額−残額」で分かります。都度いくら渡すかを判断する必要がなくなるので、事務担当が毎回金額を検討する手間もなくなります。
その都度渡す方法との違い
その都度渡す方法では、渡した金額の記録と使った金額の記録が別々になりやすく、月末になって「何にいくら渡して、いくら残っているか」を一からたどり直す作業が発生します。定額前渡制度であれば、渡す金額はあらかじめ固定されているので、確認するのは「使った分の記録が正しいか」だけです。事業所が複数ある場合も、事業所ごとに定額を決めておけば、事業所間で現金が混ざる心配も減ります。ただし、定額の金額は事業所の規模や経費の発生頻度によって適切な額が変わるため、最初から大きく決めすぎず、数か月分の実際の使用額を見ながら調整するのが無難です。
月末の締めを短くするための実務のポイント
定額前渡制度を導入しても、レシートの管理が雑になると締めの手間は変わりません。締めを短くするために意識したいのは次の点です。
- レシートは使った当日か翌日までに出納帳へ記録し、月末にまとめて処理しない
- レシートの日付・金額・店名・用途を、後から見ても分かる形で残す
- 使った金額の合計と、手元に残っている現金が「定額」と一致しているかを毎回確認する
- 補充のタイミングを決めておき、補充した日と金額も出納帳に残す
レシートを溜め込まずにその都度記録できる仕組みがあれば、月末は合計を確認するだけで済みます。当社が提供している「space 小口管理」は、事業所の職員がレシートの写真を公式LINEに送るだけで、日付・金額・店名をAIが読み取り、事業所ごとの小口現金出納帳としてまとめられるようにしたものです。忙しい現場でレシートをその場で処理しておきたいという事業所に向けて用意しています。
定額をどう決めるか
定額前渡制度を始める際は、まず過去数か月分の小口現金の使用額を出納帳から拾い、平均的にどれくらい使っているかを確認するところから始めます。行事や備品の買い替えが重なる月は使用額が増えることもあるため、平均額に多少の余裕を持たせて定額を決めておくと、月の途中で現金が足りなくなって急に補充する事態を避けやすくなります。決めた定額は一度で固定にせず、半年に一度程度は実際の使用額と見比べて、多すぎないか、逆に足りていないかを見直すとよいでしょう。
まとめ
小口現金をその都度渡す運用は、月末に残額と使用額を一からたどり直す手間がかかります。あらかじめ決めた定額を渡し、使った分だけを補充する定額前渡制度に切り替えれば、確認するのは使った分の記録だけになり、月末の締めが短くなります。定額の額は事業所の実際の使用額を見ながら決め、レシートはその都度記録しておくことが、締めを楽にする土台になります。

